「そして、バトンは渡された」なる小説
【そして、バトンは渡された】
おすすめ年齢11歳~ 暴力、性表現なし。
(あらすじ)
優子は自分ではどうすることもできない中で、父親母親が何度も替わり、その度にそれぞれの「親」の愛情を受け取っていく。たとえ血が繋がっていなくても、親が何度替わっても、不幸せとは限らない。バトンリレーのように、それぞれの親の「愛」が繋がり、優子は大人になっていく。糸がより合わされていくように、運命は一つの大きな流れとなり、物語の最後に訪れるのは、奇跡のように美しい景色。普通だけど、普通じゃない毎日が織りなす、感動の物語。
【感想】 祝映画化!!
皆々様、運命の出会い…信じてますかの?
何も人との出会いに限ったことではなくての。何でかは全く説明できないのだけれど、突然何かに惹かれる時があるものよ。麻呂も最近そんな不思議な経験をしたのじゃ。
麻呂はミステリーが好きな類なのだけど、ごく稀に
「やや!これは読まねばならぬ。」
となることがある。
それが本作の「そして、バトンは渡された」なのじゃ。例えば沢山の著名人の方が絶賛しておるのを耳にしても
「ふーむ」
他にも、知人から「絶対読んでみて!面白いから」と言われても
「あい分かった」(表向き)
としかならないのだけれど…
矢張り2019年本屋大賞だからなのか、はたまたそういった称賛がローブローのように効いてきたのか、文庫本を目にした途端、買っておった。
全然感想話してないけども、一句。
「因と縁 紡いだ日常 その奇跡」(字余り)
いやはや、どこぞの有名歌人なつき先生見ないでたもれ。
登場人物が皆素敵で、何気ない会話も気持ちよく読めますぞ。「優子の最後の親」となる「森宮」氏、いとやんごとなき人物。惚れてしまいそう。
ミステリー小説ではないので、最終章がどうなるかはかなり早い段階で予想できてしまうし、あっと驚くという類ではない。逆に、タイトルからして予想できるにも関わらず、日常を飽きずに読ませる筆力は本当に凄い。
登場人物も突飛でなく自然で、なのに現実にはあまりいないと思われる。それぞれの家庭でこんなにうまくいく、もしくは悲劇が起きないなんてなかなか考えられぬ。でも、こんな小説があってもいいではないか、それは希望、願い。そんな世の中でどうかありますようにと願わずにいられない作者の思いもあるのだろう。
だから、麻呂は奇跡と思ったのじゃ。心から感動した、幸せはなはだ。
是非読んでたも。
さらにさらに、この度、映画化もされて、原作との違いも楽しめそう。
ではでは皆に幸あらん事を。
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